ロブロックスは2026年9月3日、ニュースルームで2025年にクリエイターへ支払ったデベロッパーエクスチェンジ(DevEx)の総額が15億ドル(2024年の9億2,300万ドルから約63%増)に達し過去最高を記録したと発表しました。ところが同社は同年7月30日の決算発表で、2026年第3四半期の予約収益(bookings)ガイダンスを前年比14〜18%減の15億8,000万〜16億5,000万ドルと示しており、これは上場以来初めて予約収益の減収をガイダンスとして明示した事例です。2つの発表は測っているものが異なります。一方は直近1年間にクリエイターへ実際に支払われた累計金額、もう一方は今後3か月間に見込まれる利用者支出の総額です。ロブロックスでクリエイター・UGC施策を検討しているブランドが見るべきは、どちらの見出しが正しいかではなく、2つの数字がどこで分かれているかです。
ロブロックスは正確に何を2つ発表したのですか?
9月3日発表の「ロブロックスにおける創作のグローバルインパクト」レポートによると、DevExに登録するクリエイターは4万2,000人を超え、2026年6月30日までの12か月間の中央値受取額は約1,500ドルです。米国内の支払いの3分の2はIT業界の雇用率が平均以下の地域(合計5,257の郵便番号区域)に届き、2025年に米国のクリエイターが生み出したGDP寄与は7億5,200万ドル(前年比69%増)、2017年から2025年までの累計米国GDP寄与は23億7,000万ドル、2025年に世界全体で支えたフルタイム換算の雇用は約1万2,000件だとしています。その2か月前、7月30日の第2四半期決算では、2026年第2四半期の予約収益は15億5,700万ドルで前年比わずか8%増(2025年第3四半期の70%成長からの急減速)と報告され、第3四半期は前年比14〜18%減とガイダンスされ、通期見通しの提示自体を取りやめて四半期ごとのガイダンスに切り替えました。この発表の翌取引日、株価は約27%急落し上場来最悪の下落幅を記録、時価総額約90億ドルが失われました。
クリエイター報酬の過去最高とブッキングの史上初の減収は、なぜ同時に成り立つのですか?
この減速の原因はロブロックス自身が説明しています。同社は2026年4月、レコメンドアルゴリズムを意図的に改修し、素早い課金を生むバイラルなヒット作ではなく長期的な継続利用を狙ったタイトルへ利用者を誘導するようにしました。その結果、時間当たりの収益化は見込みを下回り、特に13歳未満のコホートで下落幅が大きかったとのことです。つまり予約収益の減速は偶然の離脱ではなく、会社が意図的に行った方針転換の想定内の副作用です。一方でクリエイター報酬15億ドルは、この12か月間の全世界・全ゲームを合算した累計値であるため、特定のセグメント(2025年のバイラルタイトル、13歳未満コホート)の時間当たり収益性が下がっても、登録クリエイター数やプレイ時間全体の拡大がそれを相殺し、見出しの総額は上昇を続けられます。どちらの数字も嘘ではありませんが、一方はプラットフォーム全体の累積規模を、もう一方は今この瞬間の限界的な収益化トレンドを答えており、そもそも問うている質問が違います。
この差はブランドのロブロックス予算判断にどう影響しますか?
ロブロックスはブランドに対してクリエイター・UGC施策の場として積極的に売り込んでいます。Rewarded Videoフォーマットは400以上の体験・1,000以上のブランドに拡大し、完了率90%以上・視認可能率95%以上を自社発表しており、e.l.f.ビューティー、サムズクラブ、「フィブ・ナイツ・アット・フレディーズ2」が新しいHomepage Featureフォーマットの非公開ベータに参加しています。こうした売り込みは通常、プラットフォーム全体の集計値 — 2026年第1四半期の1日あたりアクティブユーザー1億3,200万人(前年比35%増)や、今回のクリエイター報酬過去最高など — を根拠に引用されます。しかし特定のクリエイターパートナーシップやゲーム内配置が実際に成果を出すかどうかを左右するのは、プラットフォーム全体の平均ではなく、そのゲームとそのコホート単位の経済性であり、それはまさに今回ロブロックス自身が下落を認めた単位です。プラットフォームの集計見出しだけを根拠に予算を組むと、会社自身が投資家にすでに軟化していると説明したセグメントに賭けてしまう可能性があります。
キャンペーンを承認する前に何を確認すべきですか?
- 対象の体験(ゲーム)が2025年のバイラルタイトルか、定着した定番タイトルかを先に見分けます。 ロブロックス自身のコメントは時間当たり収益化の下落を明確にバイラルタイトルに結びつけており、古くから安定している定番ゲームについては同様の根拠を述べていません。
- キャンペーンのターゲットが13歳未満のコホートと重なるかを確認します。 ガイダンスが明示的に下落が集中していると名指しした層なので、この年齢層を狙う予算ほど、直近のエンゲージメント・コンバージョンデータを別途要求する根拠があります。
- クリエイターやスタジオが提示する収益実績の出所を区別します。 DevExで実際に現金支払いされた金額(中央値は12か月で約1,500ドル)なのか、まだ換金していないゲーム内通貨・アイテムの評価額なのかはまったく別の数字です。
- プラットフォームが発表する広告フォーマットのベンチマークと、自社キャンペーンの実績を分けて考えます。 Rewarded Videoの完了率・視認可能率はロブロックスが自社で集計した数値なので、契約前に自社キャンペーン独自の効果測定レポートを契約条件に明記します。
第4四半期の予算は何を基準に決めるべきですか?
例:第4四半期のロブロックス予算200万円を、2025年のバイラルタイトルAと定着した定番タイトルBに均等に(各100万円)配分する代わりに、会社のガイダンスが示す方向性を踏まえて両タイトルにまず30万円規模の小規模テスト施策を実施し、実際に帰属するコンバージョン・売上データを比較したうえで、残り140万円を成果が確認できた方に配分すれば、見出しの数字ひとつだけを根拠に特定タイトルへ予算を集中させるよりも説明可能な意思決定になります。クリエイター報酬の過去最高も、予約収益の史上初の減収も、それ単体では特定のキャンペーンが成果を出すかどうかを教えてくれません。この2つの見出しが分かれている今こそ、予算配分の基準をプラットフォームが発表する集計値から、キャンペーン・クリエイター単位で実際に帰属する売上へ移すべき時であり、HyperstarのAIマッチエンジンはまさにその軸でクリエイターを選定します。